ゆめをたべてく

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あまりにも残酷な、究極の愛の形 ――直虎33話感想

(こちらは2017年8月の私が書いていて、投稿していなかった記事を2018年に「夜空に~」にあげたものを移行作業で結局日時指定2017年で投稿したもの、です。ややこしい!笑)

 

第33回「嫌われ政次の一生」。本来ならば誰も立ち入れない2人の愛の境地を見てしまった。何か凄いものを見た、という思いでした。言葉にしたい感動がたくさんあったはずですが、どうにもうまく言えません。とにかく凄かった。想像以上に残酷で悲しく、でも想像を遥かに超えて「報われた」姿だと思いました。まずはこの物語を生み出した制作陣と、魂を宿し表出した役者さんたちに心からの拍手を。

 

大体のことはTwitterに吐き出しましたが、整理しつつ、まとめていきます。

 

 

33回は、前回や、これまでに描かれた「政次の深い愛」に対し、直虎が応える回、だったのかなと思っています。

「自らの死」によって井伊の未来を守る愛に対し、「自ら手を汚すこと」でその思いに応えた。

きっと政次は、おとわの手を汚すことは望んでなかったと思います。本当は、井伊の者が政次の首を上げるなり、身柄を連行するなりして近藤に差し出すことがあの状況で最も“井伊の体面”を守れることだったのではないでしょうか。でも井伊の者にそれをさせず、一人敵地に乗り込んでいった。

最後に政次は笑いました。「それでこそ、おとわだ」という笑顔だったような気がしてなりません。いつも自分に予想斜め上を行くおとわ。自分が殺される姿を見て、泣きやしないか、止めやしないか、少しでもそんなことを思った自分を笑ったのかもしれません。政次の覚悟と思いに、直虎も覚悟をぶつけてきた。「死」という永遠を介して、二人は究極の愛を完成させた。

「地獄へ落ちろ、小野但馬。地獄へ。ようも、ようもここまで我を欺いてくれたな!遠江いち、日ノ本いちの卑怯者と未来永劫語り伝えてやるわ!」

「笑止、未来など、もとよりおなご頼りの井伊に未来などあると思うのか。生き抜けるなどと思うておるのか。家老ごときに容易く謀られるようにな愚かな井伊が、やれるものならやってみよ!

地獄の底から見届け…」

 息絶える瞬間、彼の目に映っていたのはおとわただ一人。愛しい人を見つめながら、看取られて死んでいけたのは、本当の本当は死にたくなんてなかったはずの政次にとって最後の幸せだったかもしれない。

 

 

「まさつぐがはりつけになる」と一音一音かみしめるように伝えた和尚様からは、直親の死を目の当たりにした時の慟哭が聞こえるようだった。井伊を守るためにまたひとり。自分が見てきた子が死に、そして片翼を失う。切ない。やるせないだろうな。

 

 そうなんですよね。「直虎にはできないこと」で「なつの存在」によって政次が救われてきたことが、これまでにもきっといくつもあった。

ある意味、直虎から絶大な信頼を得て、なつから癒しと支えを得ていたこの時の政次は最強だった。どちらへの愛も報われ、最高に幸せだったと思います。

 

 

 

 直親の時、政次は「とる価値のある首」ではなかった。あの時たとえ政次が死んだところできっと直親も殺された。「直親の代わり」には、なれなかった。でも今は、直虎の代わりになれる。命を差し出すことで直虎が守られる、それが成立する。

「このために生まれてきたのだ」と、自分の命の意味が井伊であり直虎なのだと、そう言えるほどの愛。深い…。

 

 

 

ひとつひとつ積み重ねた愛、そのために生きた命の終わりを、その相手によって遂げられるというのはもうなんとも。予想を遥かに超えてきました。でも、政次の人生にとって、その完結として、最高の形だったのではないかと思います。

直虎の行為は直親を殺した政次の肯定にもなっていて、同時に井伊を守り死んだ直親への理解や賛辞にもなり得る。

「もうあんな思いは御免じゃ」というおとわの心を、直虎は葬り、殿として決断した。そして政次亡きあと、直虎を「おとわ」にしてくれる人はいない。それがなんとも切なく、悲しい。だけど、やっぱりこれも、直虎が「自分で選んだ」道です。

 

これから直虎がその道をどう生きていくのか。

しかと見届けねば、と思います。

 

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ここまでを、2017年8月の私が書いていて、ここからは2018年の私。

「初盆」と称されたツイートが並ぶTLに、このドラマのファン、あの日政次の死に泣いた人々の愛の深さを見た気がします。

 

なぜ私はここまで書いたブログを投稿していなかったのだろう、という疑問は私がいちばん思っているのですが(笑)、せっかくなので、初盆のお供えに。

あ〜面白かったよな〜直虎!またあのドラマ館行きたい!!(笑)